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学校連絡をメールで配信するシステムがにわかに公立学校でおこなわれるようになった。緊急連絡を学校の保護者と教職員の携帯へ一斉にメールで配信するもの。
いまは新型インフルエンザで学校はてんやわんやだし、この前、台風が来たし、その前には地震が起きた。あるいは運動会を雨の日と雨の日の間の奇跡的な晴れの日に強行した。こういう非常時の連絡にはたいへん便利だ。
しかし気になる点がいくつかある。このシステムは民間のものだ。高速道路を利用するのにETCが便利で料金も安くなるため、結局多くの人がETCを利用しようということになってETC関係の業者をもうけさせたように、携帯電話会社やそれにかかわる各種の通信業者をもうけさせることになる。しかも配信システムの場合、いったいどこの業者をもうけさせているのか、その業者が見えない(知る必要もない、空気のような存在という感じ)。
さらには携帯を持っていない保護者や教職員は通常の連絡システム(連絡網による電話連絡)を受けることになるが、この連絡網が手薄・手抜きになる傾向がある。結局だれでも携帯を持たないと不利となり、デジタルデバイド(情報格差による社会格差)を引き起こす。
もう一つ気になるのは、民間に集められた個人情報は、ほんとうに守られるのか。最近は卒業アルバムにさえ卒業生の住所を載せないし、クラスの連絡網もなかなか作成しにくくなっているほど、学校は個人情報に途方もない気を遣っているが、一方でこのような民間システムを導入して個人情報をすっかり一企業に預けさせている。この落差はなんだろう?
町内の通常の連絡の「配信システム」は回覧板。手渡しだ。緊急連絡は電話。これも相手の顔が見える。近所のばあいはこういうことが可能だが、学校のばあいは物理的に無理。とはいえ、なんとなく学校に「血が通わなくなっている」ようにも感じる。