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『古代出雲への旅』を読む
2008.04.23 Wednesday
副題が「幕末の旅日記から原風景を読む」。
昨年の11月に家族で静岡市の古着屋に行ったおり、暇つぶしに向かいの古本屋に入って買った本。値段は定価の半額。読了するまでに半年かかったのは、「読み終えるのが惜しい」本だったから。毎日ちょっとずつ「舐めるように」読んだ。
出雲の国は平田の商人、小村和四郎(おむら・わしろう)という国学を学んだ55歳の幕末の篤志家が、『出雲風土記』を手に、地元の出雲の国の古き神社を巡る旅をはじめる。その『参詣記』という旅日記をぐうぜんに著者の関氏が発見する。そうしてその関氏がその『参詣記』をたどる旅をはじめた。
ここで興味深いのは、『出雲風土記』においても、地元の役人が地元の港町や山村などを巡りながら風土記の記述をしている点。つまりこの『古代出雲への旅』はある意味で古代・近世・現代という「三重の旅の紀行文」でもある。
古代と近世は時代的にかけ離れてはいるけれど、『風土記』の源泉にある古代の神社や天地山水への厚い信仰はあまり変わらないようだ。そうして近世と現代は、和四郎や和四郎が出逢った人たちの子孫が現代に生きている点でしっかりと現代に結びついている。こうして三つの時代が微妙に重なって、古代出雲がよみがえり浮かび上がってくる。
旅も本も出逢いだ。
いままで『出雲風土記』を読んだことはなかったし、一冊の本もなかった。
このあいだ、たまたま買い物に出かけて出会った古本市をあさっていたら、岩波の古典文学大系の『風土記』を見つけた。すぐに買った。500円だった。
別の日に見つけた『宇宙戦艦ヤマト』の三巻本が900円だった。子どもたちのためにヤマトを買った。店の人が「ネットで売れば高くなるよ」と言ったが、子どもたちの宝物になった。もちろん字はまだ読めないので、子どもたちはちょこんと体育座りをしながら間に閉じてあるカラー写真を眺めている。ついでに文字だらけの「ひみつ」のページもゆっくりゆっくりめくっているところがかわいい。
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コメント
先日、地元の図書館で古代出雲への旅を見つけました。確かに主様のおしゃる様にまるで高級酒を舐める様に味わいたい良書です。掘り出し物でしたね。福木出版の山本健造氏の著書がきっかけで古代史に興味が湧きました。
Comment by 通りすがり @ 2015/03/23 2:41 PM
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