第1回の途中からテレビドラマ『白い春』を観ている。阿部寛がやくざな役だったので、思わず観入ってしまった。
阿部が実の父親だが、刑務所帰り。育ての父親が実直なパン屋。そうして小学校の一人娘。娘はほんとうの父親を知らないが、なぜか阿部と出会ってなついてしまう。阿部がひょんなことからパン屋に勤める。これがドラマの縦糸。阿部の周囲に若い男女がいて、三人がいっしょに住む。これがドラマの横糸。
やくざな父親が、純真無垢な実の娘とぐうぜん出会い、まともな人生を歩もうとする。その変身を描こうとしている。ここからドラマの先を予想してみる。
一 最悪なパターン
阿部はまたやくざな道へ引きずり込まれてしまい傷害事件か何かを起こすか、自らが娘か誰かを救うための犠牲と(再び)なる。そうして舞台から姿を消し、パン屋は何ごともなかったかのようにそのまま暮らす。
二 最善のパターン
阿部は自らが父親だとは名のらないまま、まっとうな仕事を見つけ、パン屋からは離れて自立してみずからの人生を歩む。育ての父と娘はそのまま(パン屋の)生活を続ける。若い男女も自立して生きていく。
三 なんだかなあ〜のパターン
パン屋の親父が何か事件に巻き込まれて(たぶん娘の)犠牲となる。そうして阿部がパン屋を受け継ぎ、実の娘と仲良く暮らす(パン屋がかわいそう)。
四 予想外パターン
若い女性は実は相当な(表か裏の)有力者の娘。それでパン屋か阿部の窮地を救う。若い男女もパン屋を手伝い、阿部とパン屋はその後も仲良くパン屋を繁盛させて、みんな仲良く、かつあいまいに暮らす。
五 真っ暗なパターン
娘は母親と同じ病気で亡くなってしまう。阿部もパン屋も生きる力を失い、娘のあとを追う。残された人々はそれぞれ自分の道を行くのがせめてもの救い。
このドラマは原作がないという。二の最善のパターンで最終回を迎えたい(6月23日が最終回。あと3回)。テレビドラマの『七瀬ふたたび』は原作どおりの「真っ暗なパターン」で終わってしまい、がっかりしたことがある。一、三、五のパターンにならないように。