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「内閣府の原子力安全委員会は11日、福島第1原発事故について、発生当初から数時間、1時間当たり最大1万テラベクレル(ベクレルは放射能の強さ。1テラベクレルは1兆ベクレル)の放射性物質を放出していたとの見解を示した。」
と、12日の毎日新聞のネット記事は報じている。
しかも「今回の事故は数時間の放出でレベル7に相当する」とも。
つまり、政府は事故発生当初数時間で、すでにレベル7の史上最悪の原発事故であることを知っていたのではないか。そしてそれを隠していたのではないのか。それについてマスメディアはなんのコメントもないのか。グルになっていたのか。へたな芝居でも観るような気分になる。
さらに毎日新聞はこんなことも記している・・・
「史上最悪の原発事故と言われた86年のチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)と同じレベルに並んだが、経済産業省原子力安全・保安院によると、放出量は同事故の約10分の1とみられるという」。
放射性物質の放出量は「チェルノブイリ原発事故の10分の1」だという保安院のことばをそのまま伝えている。
では実際に数字で比較してみると、
「チェルノブイリ事故で放出された放射性物質の量は520万テラベクレル(ベクレルは放射線を出す能力の強さ、テラは1兆倍)」
「これに対し、今回の事故で放出された量を、保安院は37万テラベクレル、内閣府原子力安全委員会は63万テラベクレルと推定している」。
520万テラベクレルに対して37(あるいは63)万テラベクレルというのは、たしかに10分の1ぐらいとしよう。
しかし「放出された放射性物質の量」は、チェルノブイリは25年。福島はわずか1ヶ月だ。それらを比較して10分の1とすること自体にどんな意味があるのか。1ヶ月で福島原発からの放射性物質の放出が終わりになるのならいい。しかし現時点でこの放出がこの先どのくらい続くのか見当もつかないのに、どうして10分の1などと比較できるのだろう。
子どもだましのようなこのような「いかがわしい」比較によるトリックを、マスメディアが平然と記事にしている。