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何を守っているのか

 『週刊現代』の4月23日号を買ってきた。講談社。いろいろ目をひく記事があった。

 36ページにまず、こうあった。

──東京都では3月23日に暫定基準値を超える放射性物質が検出されたとして、乳児への摂取制限を決めたが、翌日には解除。それ以降は基準値を下回ったとし、最近の測定結果には「不検出」の文字が続く。/しかし、そこにはカラクリがあった。都庁関係者が言う。/「都は東京都立産業技術研究センターに都内3ヶ所の浄水場の水質調査を依頼しています。その際、水については1キログラムあたり20ベクレル以下の場合には、放射性物質が検出されても『不検出』として報告するよう指示が出されました。理由は都民に動揺を与えないため、というものです」──

 さて、実際に東京都のホームページの4月5日の「水道水の放射能測定結果 第38報」を見ると、  「不検出≦20Bq/kg」という注があった。つまり20ベクレル/キログラム以下は不検出とするということだ。

 また4月15日(金)現在の「第49報」を見ると、この「不検出≦20Bq/kg」という注さえもない。そうして次のように記されている──

──各浄水場での測定値は、食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定的な指標値100Bq(ベクレル)/キログラム(※乳児による水道水の摂取に係る対応について[平成23年3月21日健水発第2号厚生労働省健康局水道課長通知])を下回っています。/いずれの浄水場の水道水も、1歳未満の乳児を含めすべての方に飲んでいただいて問題ありません。/なお測定値の公表については、これまで速報性を重視してまいりましたが、放射能濃度の低い状態が続いていることから、本日から測定時間を延長して、より低い濃度まで測定することとしました。/今後も、濃度の変動を引き続き監視し、公表してまいります。──

 とあり、『「不検出」(検出限界値6)』などと記されている。さらに『検出限界値とは、「検出できる最小量(値)」のこと』という注がつく。しかし、この注がまったく分からない。まったく分からないことを注にしてどのような意味があるのだろう。

 暫定基準値を超えた3月23日の「第17報」にはすでに「※不検出<20Bq/キログラム」という注が見える(こちらは「20ベクレル未満は不検出」という注だ)。しかし、その前日の3月22日の「第16報」から「第1報」までを検索してもヒットしない。なぜか3月17日の「第11報」だけが検索できる。

 「第11報」は3月17日。結果は金町浄水場で「全α放射能 0.0ベクレル/L」「全β放射能 0.4ベクレル/L」などと詳しい数値が出ている。さらに注も詳しく、「(注1)WHO飲料水水質ガイドラインの値は、全α放射能では0.5 Bq/L、全β放射能では1 Bq/Lです。/(注2)金町浄水場における過去20年間の測定値は、0.0 〜 0.5 Bq/Lです。/(注)Bq(ベクレル)/Lとは、水1リットル中の放射性物質が放射線を出す能力を表す単位です。」とある。

 ここだけ削除し忘れたか、それともこのときだけ基準を下回ったので出したのか。「/リットル」がいまは「/キログラム」になっていて、単位が変わったように見えるが、同じことを意味するはず。WHO(世界保健機構)のガイドラインまで載せているが、それによると放射線の種類で分けていて、その基準は0.5と1ベクレル/リットルになっている。それが3月21日の厚労省の通知で「100ベクレル/キログラム」(しかも乳幼児に対して)に引き上げられた。そして都庁の水道局では「20ベクレル/キログラム」以下は不検出として切り捨てた、ということになる。政府はそれまでの暫定的な基準を100倍まで引き上げ、水道局は20倍までを不検出として無視するようになったということだろうか。

 いずれも暫定基準だが、しかしその基準を100倍などに引き上げるということなどがあっていいものだろうか。こういうとんでもないことを政府がすること自体が、人々をして政府(政治)不信に陥らせる元凶となるのだろう。人々が政府も役所も、その「公式」な数値発表も信用できなくなるから、さらに「風評」被害が生じ、拡大する。すべての風評被害の元凶は政府の施政にあるといってもいい。

 基準を法外に引き上げた日本政府は、万が一に、人々に放射線の健康被害が生じたときに、どのようにとらえ、どのような対処の仕方をするのだろうか。これは政府が旧ソビエトの「チェルノブイリ事故」に対して、現在どのような見解を持っているかで、推して知ることができる。

 「首相官邸災害対策ページ」のなかの「チェルノブイリ事故との比較」(http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html)にこうある──

──周辺住民/*チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の500万人は10〜20ミリシーベルトの被ばく線量と計算されているが、健康には影響は認められない。例外は小児の甲状腺がんで、汚染された牛乳を無制限に飲用した子供の中で6000人が手術を受け、現在までに15名が亡くなっている。──

 チェルノブイリ事故での周辺住民の被害について、「汚染された牛乳を無制限に飲用した」甲状腺がんによる「現在までに15名」の子どもの死亡しか日本政府は公式に認めていない。周辺住民の「健康には影響は認められない」としている。すなわち、福島原発事故による国民の中長期的な放射線の被害を、日本政府はいっさい認めないであろう、ということを暗示している。

 基準を法外に引き上げて、さらにそれによる被害の拡大や影響については認めないとしたら、政府は国民を守ることができるのだろうか。いったい政府は何を守ろうとしているのだろうか。例の「安全・保安院」なども、すべての国民の非難・批判から原子力発電の「安全・保安」を守るための機関ではないかとさえ思える。

JUGEMテーマ:ニュース
mojabieda * 時事 * 11:00 * comments(0) * trackbacks(0)

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