スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
福島第1原発における大気中への放射性物質の推定放出量はどのくらいか。
新聞やテレビには出ないが、ネットには出てくる。保安院・原子力安全委員が前首相などを前に答えた映像が流れている。4月22日の民主党の勉強会。それによると、「1日100兆ベクレル」(4月5日時点で)と言っている。しかしこれもどこまで正確か。「きちっと正確にはやく出したいと思っている」由。与党政治家たちを前にしても安全委員会は正確なデータを出せないのか、出さないのか。
思うに、「最初の3日間」の法外に桁外れの放出量が収まって、安定しているときの量が100兆なのだというから、このままでいくと、どのくらいの総量に達するか。福島の場合、チェルノブイリにはない「海洋汚染」までプラスされる。
さらにこの会のなかで、ある政治家が毎日注水している水が500トンで、そのうち半分は水蒸気として消え、施設内の残りの水量を差し引いて、「100トン近くはどこかへ消えてしまっているのではないか」という。注水した水の1/5は地下水にしみ込んだか。
海へ放出される放射性物質が1日何ベクレルかも「不明」らしい。4月22日の「しんぶん赤旗」を見ると、2号機取水口付近にある穴の亀裂から海へ流出した放射能の量は東電発表で4700兆ベクレルと推定されている。流出期間は4月1日から6日までの120時間(6日めに止めたという)。
そのほかのところから毎日海へ放出されている放射性物質があることは確かだ。しかしその量は「不明」らしい。いろいろ情報が小出しにでてくるが、隔靴掻痒の感がある。どこかで正確にデータを把握しているはず。把握しなければならない。
こんなふうに政府などが正確なデータを隠すために風評被害が生まれる。隠蔽やごまかしや過小評価が風評被害を生むといっていい。
武田邦彦氏のブログに『「安全宣言」という(名の)風評(被害)』という文があるので、そのまま引用する。
「原発 緊急情報(57) これから:「安全宣言」という風評」
農業の方には悪いけれど、子供に野菜や牛乳を飲ませる親の立場で考えると次のようになります.
1)政府は事故後、野菜の放射線を測る方法を急に変更し、「測定する野菜は、箱から取り出して、測定する野菜だけ流水で良く洗ってから測ること」という通達を出した。/この通達で野菜は全ての信頼を失った。
【理由】出荷時はまだ収穫直後なので、付着している放射性物質は容易にとれる.だから、産地で良く洗ったら放射性物質がとれる野菜でも、消費者が買うときにはこびり付いていたり、しみこんだりしているので取れない。/だから、今、表示されている野菜や農作物の放射線の値は、まったく信用できない。
(中略)
「流水でよく洗ってから測定しろ」という通達を出す政府が「風評」を作り出しています.これまで普通に出荷している状態のまま、しっかりと測定し、「規制値以下」ではなく「規制値の100分の1以下」の野菜だけを出荷すれば、風評は起こりません。/今、政府やメディアが言っている「風評」とは、「汚染されていない野菜が拒否される」という本来の風評ではなく、「汚染されている野菜を、いい加減な測定で売ろうとすると消費者が買わない」ということですから、風評ではなく、至極、当たり前のことです。
(中略)
ということで、良心的な農業関係者と子供を持つ親は次のようにすることが望ましいと思います。
1.「安全宣言」がでている野菜や牛乳は、生産地に限らず買わない。「安全宣言」を出すということは土地が汚染されているからです。
2.「流水で洗って測定した」という野菜などは買わない。
3.当面、「洗わない状態」(通常の出荷状態)で測った放射線が規制値の100分の1以下の場合、その数値と「汚染されていない」と表示するように、生産者と消費者で合意しておく。
4.表示されていないとかそれができない間は、福島産(本当は中通り、浜通だけだが、表示が福島産なら仕方が無いので)、茨城産、栃木産、宮城産のものは購入しない。
ということでしばらく我慢するのが良いと思います。
北海道、青森、岩手、北陸、東海、近畿、四国、中国、九州、沖縄、外国産のものはすべてOKです。群馬は安全宣言が出ましたので、やや問題です。
食の安全は人間にとってとても大切なことです。放射性物質の汚染が起きた時には、汚染された土地からできたものは、
1.すべて危険、
2.測定して、その結果が表示されていて、放射性物質を含まない農産品は安全(洗わないもの)、
3.信頼できるルートで扱われているものは安全
ということです。(引用おわり)
功罪あわせもつ、ある中国の古典には「信なくんば立たず」ということばがある。信頼なくして人の暮らしは成り立たない。その信頼を育むのが政治のはずだが、政府は真逆なことをしている。